目次
どんな企業のマーケティング担当者もソーシャルコマース運用は必須になっているかと思います。ソーシャルコマースではECの機会損失75%のうち、約35%カバーすると言われています。
ただし、日本ではSNSで直接決済できる機能は実装されていません。ソーシャルコマースは、コミュニケーションのタッチポイントを広げ、昨今のCookieの制限問題にもうまく活用できるのではないしょうか?
今回は、Cookieの制限問題の解決策としてソーシャルコマースの可能性について迫ります。
EU域内の個人データ保護を規定する法律として制定されたGDPR(EU一般データ保護規制)が話題になっています。
その流れを受け、Cookieを制限する動きが日本にも押し寄せてきています。
2020年に個人情報保護法が改定され、Cookieを活用したデータの収集と利用について同意取得の義務を2022年6月から実施することが決定しました。
また、サードパーティCookie規制に積極姿勢を取っていなかったGoogleが、2023年にはサードパーティCookieを完全廃止することを決定しました。
現在でも、Cookieを利用した広告配信はまだ可能ですが、Safariではデフォルト設定ではCookieを利用した個人特定ができず、規制は今後も益々厳しくなっていくでしょう。
Cookieとは、簡単に言えば「WEBサイトを閲覧する上で、一時的に記憶しておくと便利な情報」です。
WEBサイト内のユーザビリティを向上させるためのもので、付与されたIDをブラウザの「Cookieという場所」に保存し、WEBサイトとブラウザ間で、Cookieに保存されているIDを送受信することにより、ユーザーの識別が可能になります。
Cookieは「ファーストパーティCookie」と「サードパーティCookie」があり、今回、問題となっているのは「サードパーティCookie」です。
これは複数のサイトを横断して閲覧した履歴を追跡していくために使われており、その情報をさまざまなデータと紐付けて使われています。広告配信はこのサードパーティCookieを活用し、広告主は新しい潜在顧客を獲得するべく積極的に利用してきました。
そのため今後の広告運用あり方を再度検討することが必要になると言えます。
Cookie制限での広告に対する影響を3つにまとめています。
■広告効果検証:サードパーティCookieを基にしたコンバージョン測定や分析などが効率的でなくなるので、広告効果を評価することが非常に困難になる。
■広告のパーソナライズ化:閲覧データに関する情報が取得できないため、広告表示のパーソナライズ化が難しくなる。
■広告表示への影響:広告配信プラットフォームにおける、広告表示回数を制御する機能や、広告表示ユーザーかどうかを判別する機能などが、サードパーティCookieに依存していることがあるので、注意が必要。
Cookieの制限の影響により、ファーストパーティデータの重要性が高まっています。
ファーストパーティデータとは、企業が自社の顧客やウェブサイト訪問者に関して収集した情報のことです。 この情報には、 訪問者についてのデータや、訪問者がブランドに関して何を行ったかの情報(ウェブサイト訪問、登録、購入など)が含まれま す。
とはいえ、ファーストパーティデータの収集は難しいことも多いです。
この課題解決には3つのPOINTを紹介していきます。
■POINT1:他プラットフォームから自社サイトへのオプトインの促進が必要
ユーザーに、他のSNSやモールサイトなどから、自社が扱うWEBサイトや関連ページに訪れてもらい、メリットがあるとユーザーが認識し、
個人情報の提供に同意をしてもらう必要があります。
■POINT2:ブランドや商品に好意や好感度を持たせるつことが大切
ユーザーが、個人情報提供の承認を行うことにメリットを感じてもらうには、ブランドや商品が「なんとなく良さそう」と無意識に感じている状態であることが大切です。認知・関心の時点で好印象を持たれることが、個人情報提供を承認をしてもらえるかの鍵になります。
■POINT3: SNSでのブランディングが重要
ブランドへの好感度が高まる要素として、SNS運用を、ユーザーリーチや自社ブランド・商品のアピールの場として活用していくことで、自社サイト訪問につながり、ひいてはファーストパーティデータに繋がるカスタマージャーニーが描けるでしょう。
自社サイトにおいてどのようにユーザーの好感度が高い状態を維持するために、自社サイト外(SNSなど)で行っていたユーザーとのコミュニケーションを自社サイトでも継続して行うことが重要になります。
例えば、ユーザーがInstagramで見ていた商品やブランドに興味を持ち、自社サイトへ遷移した着地ページに、Instagramでみていた「商品」や「関連情報」があると、ユーザー自身が認識できる事が重要です。
サイト外でのユーザーとのコミュニケーションを考慮した導線設計や、導線を邪魔しないようなWEB接客でのヒアリングや、ナビゲーションなどが必要となります。
WEB接客ソリューション「WhatYa」(ワチャ)の強みは、こうした自社サイトへ遷移した際のコミュニケーションの継続方法や、ユーザーの好意を高めるユーザージャーニー設計、それに基づく個人情報提供の同意促進やCV向上施策がきちんと設計できるところです。