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♯3 AIチャットボットの6つの課題

作成者: サイトウ|21/12/15 7:30

※この記事は、2019/09/19日本ネット経済新聞連載していた記事をリライトしたものです。    
                 (https://www.bci.co.jp/netkeizai/serial/2398)

AIチャットボットは18年頃から、大手企業のECサイトやコーポレートサイトなどで一斉に導入が進んでいます。各社には、AIチャットボットを使って高い成果を得るための、それぞれの相応の課題が存在しています。

 

 

AIチャットボットを導入する際の、大きな6つの課題

(1)チャットボットを学習させるためのデータがない

(2)AIチャットボットの教育担当者がいない

(3)教育方法が分からない

(4)AIチャットボットの成長戦略が描けない

(5)KPI設計ができない

(6)会話シナリオ設計ができない

 以上の6つです。

 

 特に、AIチャットボットの担当者が社内にいないというケースはとても多いです。業界によっては、AIチャッボットの専門チームを設けているケースもわずかながらあります。

しかし、メーカーや小売り・流通業界では、AIチャットボットについて専門人材やチームを配置できるリソースがないことが多いです。

費用を投資してビッグデータを蓄積しても、このデータを活用できる人材がいなくては、ビジネスチャンスを逃しかねせん。


 当社では、AIチャットボットを提供する際に、専門チームを含めた支援体制全体を用意し、データ解析・活用まで含めたサポートをするケースも増えています。

 他社のデータから学ぶ道も

AIチャットボットの学習に適したデータを蓄積している会社は多くありません。カスタマーサポート対応に関する問い合わせデータを蓄積している企業はあっても、「商品提案型のチャットログデータ」を蓄積しているケースはほとんどありません。

 

 近い将来、AIチャットボットがエンドユーザーの趣味や嗜好を把握し、オススメの商品を提案し、クロージングまで完結するサービスが登場すると思います。しかし現状、そのための接客ログデータがありません。そのため、人と同じクオリティーのAIチャットボット構築にはまだ越えるべき壁がいくつか存在しているといえます。


AIチャットボット導入の際の課題である「学習データがない」という件には、

(1)今からしっかりデータを貯める

(2)データがなければ他社のデータを活用する

という二つの解決策があります。今からでも、お客さまの問い合わせ内容や、それにどう返答するかについて、データを蓄積していけば、AIの学習のための効果的なデータになるでしょう。

 当社のAIチャットボットを利用する場合は、このような課題を解消するべく、当社のクライアントであるさまざまなサービス利用企業の蓄積されたログデータを、学習データとして利用することができます。


 例えば、AIチャットボットの導入理由として多い「問い合わせ対応の自動化」があります。ECサイトの問い合わせ内容は、共通している割合が高いです。既に学習が一定レベルまで到達しているAIチャットボットを利用すれば、自社の問い合わせ対応に関するデータがない場合でも、AIチャットボット導入が可能になります。


 スピーディーなサービス提供を通じて、さらにログデータを蓄積し、段階的に回答範囲や精度を上げていくことで、導入の障壁は下げられると思っています。

〈筆者プロフィール〉

空色 中嶋洋巳社長

 2005年4月西日本電信電話入社。2013年10月空色を創業。チャットを軸としたウェブ接客ソリューション「OK SKY」の開発・提供、チャットセンター運用受託事業を展開。2016年からIBM Watson等のAIを活用したチャットボットの「WhatYa Buttons」提供を開始し、AIと人を組み合わせた新たなカスタマージャーニー設計の創出に取り組む。